レンガの話をしましょう
NHK大河ドラマ『青天を衝け』の放送が始まりました。主人公・渋沢栄一が設立に尽力した会社の一つに日本煉瓦製造があります。明治時代、都市の近代化を支える良質なレンガを供給するために設立された会社です。この日本煉瓦製造のレンガを使った施設として東京駅や群馬県安中市の碓氷第三橋梁などがありますが、桐生市東久方町にある「ベーカリーカフェ レンガ」(旧金芳織物工場、旧金谷レース工業)もその一つです。
工場は1919年(大正8年)に建てられました。1998年(平成10年)に国の登録有形文化財となっています。「イギリス積み」という工法で、これは、長方形のレンガの長いほうの面を表に向けた段と、短い面を表に向けた段を交互に積む作り方だそうです。画像を見るとよく分かりますね。
桐生市内に200カ所以上あると言われるノコギリ屋根の建物の中で、唯一のレンガ造りだそうです。ちなみに、ノコギリ屋根の形の由来は諸説ありますが、ノコギリの刃に相当する三角形の部分(傾斜のきついほうの辺)から、自然光を建物内に入れるためと説明されることが多いです。この部分は北側に向いていることが多く、太陽の動きに左右されない一定量の光を取り込んで織物の品質を確かめ、色合いに違いが出ないようにしたと言われています。
「ベーカリーカフェ レンガ」は桐生市東久方町1丁目1-55、桐生天満宮から東へ約100mのところにあります。工場と一体となっている隣の棟には1月にセレクトショップ「BELLÙRIA(ベルーリア) 別邸 日美日美〔himi〕」がオープンし、さらにその隣には、当サイトでも紹介した「器のギャラリー&旬菜カフェ 自在庵」がお店を構え、それぞれが話題を呼んでいます。今こそ足を運ぶべき、オススメのスポットです(画像の右が「レンガ」、真ん中の事務所棟が「日美日美〔himi〕」、左の古民家が「自在庵」)。
『青天を衝け』の初回放送の翌日、レンガの上に虹が出ていました(2月15日撮影)。
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